第58回日本蟻類研究会大会で講演

講演の内容レジメは、講演要旨集に次のように掲載されている。

ツムギアリ Oecophylla smaragdina の巣とコロニー構成の一例
山岡寛人(千葉県館山市

演者は2007年1月5日、パプアニューギニアの首都ポート・モレスビーの南部に位置するリゾート島 ロロアタ島Loloata Is.でツムギアリOecophylla smaragdina の巣を採集し、コロニー構成を調べる機会を得たので報告したい。桟橋のある島の北東にマヤプシキSonneratia albaを構成種とした高さ5mほどの小規模なマングローブ林が分布する。地面から約3m、島の遊歩道から約1.5mのところに張り出した枝にあるサテライトではないと思われる巣を発見し、剪定ばさみで枝を手早く切断し、大型プラスチック容器に収納した。容器に酢酸エチルを投入し、処理した後、詳細を調べた。巣は全体で24×14×15㎤であった。紡がれていた枝は5本で、それぞれ24、23,17,11,4.5㎝であった。紡がれていた葉は幅2.5〜1.5㎝、長さ4.5〜3.5㎝の卵形で、生葉121枚、枯葉30枚であった。コロニー構成は次の通りであった。ハタラキアリに明確な多型現象があるとは言われていないが、直感的に大型小型に分けてみた。有翅メスアリ31、大型ハタラキアリ3404、小型ハタラキアリ2052、メス裸蛹25、メス終齢幼虫32、大型ハタラキアリ裸蛹1746、小型ハタラキアリ裸蛹517。このほか多数の幼虫、卵があったが計測できなかった。また、女王アリは確認できなかった。