C.G.ユングの言葉より

ユング自伝2』(A・ヤッフェ編、河合隼雄・藤縄昭・出井淑子訳、みすず書房、1973)を読んでいたら次の文章に出会った。
「私の生涯は私の為したことであり、私の学問的研究である。両者は互いに分離することのできないものだ。研究は私の内的発展の表現である。というのは、無意識の内容に従事することは、人間を形成し、その変容を生じさせるからである。私の著作は私の生涯に沿うて存在する停留所とみなすこともできる。」(30p.)
文中に「内的発展」とある。原文に立ち戻る力は私にはない。だが、意味的には「内発的発展」と異なるところはないと思う。ユングは、自身の生涯は学問的研究であり、これが自身の内的発展というのだ。このブログ立ち上げの際、私は「生活とともに、思索も深めています。こうした経過は言ってみれば、自己の内発的発展です。」と述べた。ユングの発言に意を強くした次第である。